コンビニ店長も迷う「いい弁当、悪い弁当」 心と体が得する話
全国に五万店あまりあるコンビニエンスストアにとって、いまやお弁当類は主力商品。その手軽さや種類の充実ぶりが受け、毎日のようにコンビニ弁当を食べる子供も少なくない。
だが、弁当を買って、そのラベルの成分を見ると、保存料(ソルビン酸)やら酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウム)、pH調整剤など添加物がずらっと並ぶ。添加物が使われているのはコンビニ弁当だけに限った話ではなく、加工食品やスナック類には当然入っているのだが、それにしても、お弁当類のご飯がいつまでも腐らないのは、どうみても不自然だ。育ち盛りの子供に食べさせて大丈夫なのだろうか。
コンビニ弁当はいったい、どのように作られているのか。ある大手コンビニのオーナーがこっそりと教えてくれた。
「工場を見学した別のコンビニオーナーから、噴霧器みたいなので防腐剤をご飯にかけているという話は、確かに聞いたことがある。われわれとしても、いいお弁当を売りたいと思っているのですが、うちのコンビニチェーンでは、店主にもはっきり知らされていないのが実情なんですよ。『工場見学をさせてほしい』と、十年ぐらい前から本部のエリアマネジャーに要望を出してきたんですが、返事はいっさいないんです」
あの雪印牛乳の事件が起きるまで、商品の製造工程を知らされていなかった町の牛乳販売店を彷彿とさせる話だ。ただ、その一方で、店長の再三の要望を聞く形で、東京郊外の弁当工場を見学させたコンビニ本部もあるという。
「思った以上に大規模で、清潔な感じ。白いユニホームの女性たちが、流れ作業で細かいマニュアルに沿った味つけを機械的にしていました。大量生産ですし、どのくらい添加物が入っているかまではわかりませんが……」(工場見学することができた別のコンビニ店長)
店のオーナーから工場見学の要望があったとき、見せるコンビニと、見せていないコンビニがあるのだろうか。コンビニ十五社を含む百三十四本部を統括する日本フランチャイズチェーン協会はこう言う。
「コンビニが工場見学をさせるかどうかは、それぞれの企業さんのお考え」
そうであるなら、コンビニ弁当を買うとき、店長さんに聞いてみるのも消費者の次善の策かも。