20日放送の「ニノさん」(日テレ系・午後7時)は、クリスマス2時間SPをお送りする。“自分に合った枕が欲しい”と悩む、ゲスト・佐藤健のために、おすすめ快眠枕が登場。さらに超高級カニをかけて、同じくゲストの阿部サダヲと、絆の3番勝負に佐藤が挑む。ドラマに映画、バラエティと活躍の幅を広げ続ける俳優・佐藤健の過去の人気記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2020年3月30日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
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「まるで彼氏と会話してるみたい」と話題になっているのが俳優・佐藤健(31)の公式LINEだ。「友だち」登録者数はゆうに300万人を越え、まさに桁違いの人気ぶり。LINEの公式アカウントは、芸能人や企業などのアカウントを「友だち」に追加すると、オリジナルメッセージが届く仕組み。他の公式アカウントと違い、佐藤のそれはまるで友人や彼氏と会話しているようなフランクなメッセージが特徴だ。
菅田将暉や千葉雄大など若手イケメン俳優の公式LINEは数多く存在するが、佐藤の場合、1月~3月クールのドラマ「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)の放送後に「友だち」が急増したという。民放ドラマのプロデューサーは解説する。
「もともとあった佐藤さんの公式LINEを使ってドラマの宣伝をしていたところ、放送開始から登録者の女性にドラマのキャラクターさながらな“キュン”とするコメントが届くと、大きな話題になりました。ドラマの最終回は視聴率15%超えの大ヒットとなりましたが、いっきに登録者数も増えて相乗効果となりました。ドラマの構成としては極限までわかりやすく作っていましたし、場面設定もこれでもかっていうほどベタな内容のオンパレードだったので、なかには辟易する人もいたようですが佐藤健のポテンシャルがはっきりと明らかになりましたね」
同時に佐藤はドラマ終了後の3月18日に公式ユーチューブチャンネルを開設。チャンネル登録者数は136万人(25日時点)を突破するほどの人気に。始めて投稿された動画の再生回数も670万回を突破した。別の民放ドラマ制作スタッフも、佐藤健が30代若手男優として絶大な数字を持っていると語る。
「映画、テレビ、CMとどれもまんべんなく出ていて、すべてにおいて好高感度が高い。大手事務所の“看板俳優”になりつつあるので、現在では主役クラスの配役しかうけないともっぱらの噂です。意外とジャニーズのタレントでも、今はそういう人は稀なんです。さらに自己プロデュースも相当巧い。絶世のイケメンであるにも関わらず、いい具合にプライベートを曝け出しており、千鳥のノブさんとの仲の良さを語って親近感をアピールしている。公式LINEもそうですが、王子様なのにファンに対して絶妙な親近感が覚えさせるところが、彼の“数字”を支えているんじゃないでしょうか。2次元作品の実写化はご法度と言われ、特に腐女子人気が高い作品と言われていた映画『るろうに剣心』シリーズがヒットしたのも、彼ならではのことだと思います」
TBSドラマが佐藤健を育てた!?
一方で「恋つづ」のTBSとの関係を指摘する声も。前出のプロデューサーは言う。
「佐藤さんはここのところNHKとTBSドラマとの相性がいいイメージがあります。テレビ朝日の『仮面ライダー電王』で人気になり、その後はいろんな局にまんべんなく出演して主役を張っていますが、例えばライダーの次に話題になった『ROOKIES』(2008年)の頃から、TBSのプロデューサーが熱心だったと聞いています。それ以降、『とんび』『天皇の料理番』『義母と娘のブルース』などのヒット作はだいたいTBS。しかも主演の2番手だったり、ヒロインの相手役など、目立つけれど批判の矢面に立たない絶妙なポジションに配役されていた印象です。佐藤が今の地位を築けたのも、TBSの功績が大きいと思います」
ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな佐藤の魅力についてこう分析する。
「バックハグからのキス、後ろからドライヤーで髪を乾かしてあげる、ずぶ濡れのヒロインにそっと傘を差し出すなど、ベタな演出とありえないシチュエーションの連続だった『恋つづ』でしたが、ついつい最後まで見てしまう人が多かったのは、たとえどんな役でも真摯に取り組む彼の芝居に対する姿勢が見る人に伝わったからではないでしょうか。公開前は不安視されていた映画『るろうに剣心』も、もはや彼以外では考えられないほどのハマり役で、新型コロナウイルスの影響が懸念されるものの、夏に公開予定の最終章二部作も大きな期待が寄せられています。突拍子もない設定や役柄でも『もしかしたらあり得るかも』と思わせるナチュラルでリアルな説得力、それが彼の魅力でしょう。30代に入り、どんなキャリアを積み重ねていくのか非常に楽しみです」
ドラマ・映画・CMそしてネットでも順調に数字を積み重ねてきた佐藤健が、絶対的な地位に上り詰めたことは間違いない。
(黒崎さとし)