会見で女性問題について説明する永野市長

市長は「辞めるような悪いことはしていない」

 また、府警に被害届を出しても不起訴となったことについては、こうコメントしている。

〈警察へ被害届を提出した当時は、強制性交罪から不同意性交等罪への刑法改正は、まだ施行されていませんでした。もっと早く施行されていれば、永野市長は不起訴にならなかったのではないかと考えることもあり、無念でなりません〉

 弁護士によると、女性はいまもPTSDに苦しみ、社会復帰ができない状況だという。

 これに対し、永野市長は、

「辞めるような悪いことをしたのではない」

「裁判に発展したこと以外の責任は特に思い当たらない」

 などと女性の気持ちを逆なでするような発言を繰り返した。自身のXでは、

〈既に解決済みです。これ以上の報道は僕も含めて双方の当事者とその家族の今後の社会生活を危うくする可能性があります〉

 と報道を控えるよう求める発言もしていた。

 だが、大阪維新の会(代表・吉村大阪府知事)が12月4日、永野市長に「離党勧告」を通告。吉村代表が、

「説明責任を果たすべきだ。しないなら除名処分もありうる」

 と厳しい姿勢を見せると、永野市長は態度を一変した。12月6日の記者会見で、

「一定期間、一般女性と不適切な関係、不倫の関係にあった。心から謝罪させていただきたい」

 と不貞行為について謝罪。優越的な立場にあったと指摘されたことについては、

「対等な人間関係だと思っていたが、世間から見ると年齢や公人ということもあり、上下関係があると言われても仕方ない」

 などと説明した。

 ただし、女性が性行為を強要されたと訴えていることについては、

「交際関係にあったと思っている」

 と否定。

「市民から励ましの連絡ばかりがきている。市民のために尽くしたい」

 と市長職は続投するとした。

 維新は、この説明を受けて市長を除名せず、永野市長の離党届を受理することを決めた。吉村代表は、

性加害があれば除名だが、それが確認できない」

 と離党勧告の理由を説明している。

 しかし、岸和田市議会は維新も含めた全会一致で、12月20日まで開催予定の本会議や委員会に永野市長の「出席を求めない」と申し入れた。その後、永野市長不在で議会が進むという異例の状態となっている。

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