
ドラフト時のショックを乗り越えて
昨年18年ぶりのリーグ優勝を飾った際、大山がナインやスタッフと抱き合いながら大粒の涙を流した姿が印象的だった。大山は栃木県の白鷗大出身で、東京六大学や東都大学などのメジャーな大学リーグで活躍していない。2016年のドラフトで阪神が大山を1位で指名した際には、会場から「えぇー」と驚くようなどよめきが起き、大山はショックを受けたという。それから7年後の昨年、シーズンを通してチームの主軸を務め、悲願のリーグ優勝にたどり着いた時、張りつめていた糸が切れたのだろう。
だが今となっては、阪神が当時の金本知憲監督の希望で大山を1位指名したことは英断だったと言いきれる。大山もあの時のわだかまりをもう消化しただろう。「生涯阪神」を決断したのはその証と言える。阪神の黄金時代の構築を目指し、新たな気持ちでスタートを切る大山に対し、阪神ファンの応援のボルテージも上がるはずだ。
(今川秀悟)
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