その後は先発にも挑戦するなど期待は高かったが、外国人枠の都合もあってなかなか一軍定着を果たすことはできず、このオフに自由契約となっている。ただ今年は全てリリーフだったものの一軍で16試合に登板して防御率は2.65を記録しており、二軍では17試合の登板で防御率0点台と格の違いを見せている。投手陣のコマ不足に悩んでいるヤクルトや、広島でプレーした経験があるターリーが残留となった楽天などは、それほど高い年俸でなくても獲得できそうな候補として面白いだろう。
野手ではNPB通算1012安打、139本塁打の実績があり、日本人選手扱いとなるビシエド(前・中日)に注目が集まっているが、もう1人争奪戦となる可能性がありそうなのがセデーニョ(前・オリックス)だ。育成選手としての入団だったが、来日1年目の昨年5月に早くも支配下登録されると57試合の出場で9本塁打を記録。2年目の今年はさらに成績を伸ばし、チームトップの15本塁打を放つなど成長を見せている。334打席で97三振を喫しており確実性には課題が残るものの、長打力は申し分ない。
また来年で27歳という若さがあるのも魅力だ。守備位置がファーストで指名打者での出場も多いことを考えるとパ・リーグ向きに見えるが、早速12月4日に西武が獲得調査しているという報道も出ている。今年得点力不足に苦しんだ西武にとっては補強ポイントに当てはまる選手であることは間違いないだろう。他にもビシエドが退団となって、ファーストのレギュラーが固定されていない中日もマッチしそうな球団と言えそうだ。
野手でもう1人名前を挙げたいのがDeNAを退団となったフォードだ。今年の7月に来日し、オースティンのバックアップとして期待されたが、一軍での出場はわずか6試合に終わった。二軍でも打率は2割台前半と確実性には乏しかったものの、41試合の出場で8本塁打を記録。ファーム日本選手権では2打席連続本塁打を放つと、その後のクライマックスシリーズ、日本シリーズでも主に代打(1試合のみ先発出場)として起用され、勝負強い打撃を見せて存在感を示した。