ロッテ・安田尚憲

今年はノーアーチに終わった安田

 中村と同学年のロッテ・安田尚憲もくすぶっている。履正社高では高校通算65本塁打を放ち、同学年でドラフト1位入団の清宮幸太郎(日本ハム)、村上宗隆ヤクルト)と共に和製大砲として期待された。17年ドラフトでは清宮のくじを外した3球団が競合の末、ロッテに1位入団。20年から4年連続100試合以上に出場し、4番を任されたこともあったが、本塁打は1ケタ止まり。今年は4月に腰痛で戦列を離れると、三塁の定位置を争う中村奨吾の後塵を拝する形で、出場は55試合に激減。打率.228、0本塁打、15打点。1軍出場がなかった19年をのぞけば、初のノーアーチに終わった。

 他球団のスカウトはこう指摘する。

「見るたびに打撃フォームが変わっているので、迷っているのかなと。力強い打球を飛ばしていた時期があったのに、近年は彼の良さが消えています。本来は長距離砲ではなく、外野の間を射抜く中距離打者だと思いますが、強いスイングができないと怖さがない。入団してファームで見た時は広角に長打を飛ばしていて、凄い打者になると感じたのですが、スケールの大きさがなくなっている。三塁の守備は安定感が上がっていますし、このまま停滞しているのは惜しい。他球団で環境を変えることも選択肢だと思います」

何度もポジションが変わった根尾

 ドラフト1位で入団した選手の中でも、スター性が際立っているのが中日の根尾昂だ。大阪桐蔭では投手、遊撃手の二刀流で全国制覇を3度達成。18年のドラフトでは4球団が1位指名で競合し、中日に入団した。当初は遊撃1本で勝負する決意を固めたが、攻守で課題が多くファームでも結果を出せず、外野手にコンバート。22年に再び遊撃に戻ったが、シーズン途中に投手に転向。新たなポジションで活躍が期待されたが昨季は2試合、今季は3試合登板のみ。1軍でプロ初勝利を挙げられていない。

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