長女は東大を卒業して2年目。「母は自分のエゴのために子どもたちを勉強させたことは一度もありません。誤解されやすいですけど(笑)」と話す(撮影/写真映像部・佐藤創紀)

初めて感じた男女差

佐藤:女医さんたちは大変よね。

長女:みんな悩んでいます。一口に女医と言っても、地域や病院によっても違うし、同じ病院でも科によってまた全然違うし。

佐藤:研修医が終わると、どの科に行くか決めないといけないからまた環境が変わるわね。

長女:そう。改めて振り返ってみると、私ってずっと女性が少ない環境で生きてきたんだな、と思って。中高でも、塾でも、大学でも。家の中だって兄3人だし。でも、ありがたいことに、自分が女性であることを理不尽だな、と思ったことはなかった。周りにいる女子たちはみんな芯があって、特に東大理Ⅲいた女子はみんな負けず嫌いだったな。「女子だからという理由で負けてたまるか」みたいな。「戦う女」なんですよ。

佐藤:あなただって、大学受験の時は「お兄ちゃんたちに負けたくない」と思ってやってきたしね。

長女:そうそう。「女だからやっぱりダメだったんだ」とは絶対言われたくなかった(笑)。ただ、最近初めて男女の違いを感じるようになって。

佐藤:それはどういうこと?

長女:今後どの病院に行って、どの医局に属すか。自分の将来のことを冷静に考えた時に、私は母親にもなりたいんだ、と。今まではどんなことがあっても、自分の力で何とかするぞって思ってやってきたけれど、自分の頑張りだけではどうにもならないこともあるというか。

完璧な両立は無理

佐藤:なるほど。

長女:大学生の時は、何歳までに結婚して、20代のうちに子ども1人産んで、子どもできたらお母さんに手伝ってもらって、とか皮算用をしていたけれど、もしかしたら留学の機会をいただいて、留学するかもしれないし、結婚できていないかもしれないし、妊娠したくてもできないかもしれないし。

佐藤:子どもは授かりものだからね。

長女:でも、母をずっとみていて、子育ては楽しそうだし、絶対やってみたいな、と思っていて。それこそ諦められない夢かもしれない。子どもを産み、育てることができるのは女性の強みだぞ、と今は逆に思っていて、仕事も子育ても両方楽しめたらいいな、と今は夢と希望に溢れているところです(笑)。

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