ストレートに全盛期のような勢いがなく、現在はカットボール頼みの投球となっている。あらゆる球種を投げて何とか的を絞らせないようにしている工夫は見られるが、絶対的な勝負球となるボールはない印象だ。来年で33歳という年齢を考えてもまだまだ余力は残されているように見えるだけに、ストレートの勢いを取り戻して何とかもう一花咲かせてもらいたいところだ。
ここで紹介した以外には昨年何とか生き残っても、このオフに再び自由契約となった選手も目立ち、改めてプロ野球の世界は厳しいと感じさせられる。しかし一度戦力外となった選手の活躍は多くのファンに希望を与えるだけに、ここで挙げた選手たちが一人でも多く一軍の戦力となることを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。