このとき、オンラインショップで1000件近い注文があった商品こそが、サイトのトップに表示されるよう設定していた「鯱セット」でした。『Yahoo! ニュース』の記事を読んで「鯱もなか」に興味を持ってくれた人がオンラインショップを訪れ、吸い込まれるように「鯱セット」を購入……、まさに狙い通りの展開になったのです。

 ちなみに、「鯱セット」は送料を抑えるため、集荷サービスのないクリックポスト(郵便ポストから発送できる日本郵便のサービス)を利用していたので、郵便局に持ち込むかポストに投函する必要がありました。日中は製造と梱包で手一杯だったため、1週間にわたって毎晩大量の荷物を車に詰め込み、名古屋市内の大きな郵便局をはしごしてポストに投函し続けたことは、いまでも忘れられません。不審者扱いされなくて本当に良かった(笑)。
 

取材依頼が殺到。カギはプレスリリース

 記事がバズったことをきっかけに、メディアからの問い合わせや取材依頼がどんどんと舞い込むようになりました。現在でも定期的に取材を受けますが、やはり『Yahoo!ニュース』に記事が掲載されてからの半年間ほどは破竹の勢いでした。

 地元名古屋のテレビ局やラジオ局、新聞社、出版社、WEBメディアだけでなく、全国放送のキー局の番組からも取材オファーが来るようになりました。正確に数えてはいませんが、軽く100件を超えるメディアからご連絡をいただいたと記憶しています。

 元祖 鯱もなか本店に興味を持ってくださっただけでも光栄なことでしたが、もっとうれしいことがありました。それは、僕たちが発信したプレスリリースが非常に参考になったと皆さん口を揃えておっしゃってくれたことです。資料が手元にあったことで、復活劇の経緯がつかみやすく、原稿が書きやすかったとのこと。

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