「仕事柄、名古屋の和菓子屋をはじめ、喫茶店、居酒屋、うどん屋などの飲食店とも広くお付き合いがありますが、後継者が見つからず悩んでいるお店が本当に多いんです。売上減に苦しんでいるケースもあるけれど、売れていないわけじゃないのに、跡継ぎがいないために店を閉めざるを得なかったケースも多々見てきました。だからこそ、古田さん夫妻の事例を取り上げることで、同じように後継者問題に直面している人たちを応援できるんじゃないかと思ったんです」
こうして、まさかの『Yahoo!ニュース』記事の取材を受けることになりました。
想像以上の反響
2021年9月11日午後5時過ぎ。
大竹さんから、夕方頃に記事が公開になると聞いていた僕が「そろそろかな?」とスマホを手にした瞬間、店の電話が鳴り出しました。
他のスタッフが電話応対をしていると、今度は同じ店内にいた妻のスマホが「チャリ~ン」「チャリ~ン」と慌ただしく鳴り始めました。じつはこの音、オンラインショップで注文が入った際に通知音が鳴るよう設定していたもの。
つまり、立て続けにオンラインショップで商品が売れているということです。もしかしたら、いや、きっと、記事を見た人から「鯱もなか」の注文がどんどん入っているに違いない。
「こんなに連続して通知が来ることなんて、いままでなかったね。やっぱり大竹さんの記事の効果はすごいね!」
切れ目なくかかってくる電話の対応に追われながらも、このときの僕らにはまだそんな会話ができるくらいの余裕がありました。
日付が変わって、9月12日の0時半過ぎ。
スマホの通知音は、鳴りやむどころか、さらに鳴る頻度が高まっていきます。妻は先に休んでいたので、僕は「ついに『鯱もなか』フィーバーが来た!」と一人祝杯を上げようとしていたとき、グループチャットにメッセージが届きました。
「Yahoo!のトップにうちの記事が載っています‼」