「初年度はトライアウトと位置づけ、目をつけた選手を軸に2年目で土台を作り上げた。優勝には届かなかったが、3年目で2位という結果を出したところまでは予定通り。ここから先は勝つためのピンポイント補強にも動くはず」(在京球団編成担当者)
「新庄チルドレン」の成長は著しい。野手では2017年のドラ1清宮幸太郎が本格化の雰囲気を漂わせ、万波中正は長距離砲として風格も出てきた。“打てる捕手”として今季ブレイクした田宮裕涼と現役ドラフトで加入した水谷瞬も頭角を現し、スピードが売りの五十幡亮汰は侍ジャパンにも選出された。投手陣でも北山亘基や金村尚真、ソフトバンク時代はくすぶっていた田中正義など、新庄監督が就任以降に戦力となった選手は多い。
若手選手以外でも投手は加藤貴之とオリックスからFA加入した山﨑福也の両左腕、そして伊藤大海を加えた三本柱の安定度は抜群。打線では来日1年目の今シーズン103試合で打率.290、25本塁打、65打点をマークしたレイエスが残留したのも大きい。
「あと何人か投打で柱になれる選手が欲しい。投手では上沢直之、そして野手では昨オフに退団したアルカンタラ、ハンソンの出戻り復帰が検討されているとも聞く。実力は把握している3選手だけに、うまく進めば適材適所で起用できる良い補強となりそう」(在京球団編成担当者)
上沢は日本ハムで実働9年間で70勝を挙げ、昨年はリーグトップの170回を投げた「イニングイーター」。昨オフにはポスティング制度を活用して1月にレイズとマイナー契約。3月末にレッドソックスにトレード移籍したが、メジャーでは2試合の登板のみに終わった。日本球界復帰の意思が強いとされ行方が気になるところ。
2022年から2シーズン日本ハムでプレーしたアルカンタラは初年度こそ14本塁打を放ったが、2年間の在籍で通算138試合に出場して打率.207、18本塁打と苦しんだ。ハンソンも昨季39試合出場で打率.144、4本塁打、9打点と振るわず1年で退団した。だが、2選手とも現在開催中の国際大会プレミア12でドミニカ共和国代表として存在感を発揮、日本球界復帰を熱望しているとされる。