そして「成長」と「負傷」に加えて、最終的には「調子」も選考要素になってくる。特にFW陣を選ぶ際には大きな理由になる。
現状では上田、小川、前田の3人は当確だが、残り2~3枠は流動的だ。候補に挙げた浅野、古橋も信頼を掴み切れておらず、大橋祐紀、町野修斗、さらに国内組の細谷真大、ジャーメイン良、山田新、小森飛絢も今後のアピール次第で新戦力として試したい人材だ。大迫勇也、宇佐美貴史、武藤嘉紀、鈴木優磨といった面々も日本代表に選ばれておかしくない実力とパフォーマンスを見せているが、これまでのチーム作りを考えると、余程のこと(上田と小川の2人ともが離脱するなど)がなければサプライズ選出はないだろう。ただ、その他のポジションでも、佐野海舟、相馬勇紀、毎熊晟矢、三好康児、岩田智輝、伊藤敦樹、川村拓夢、藤本寛也など、メンバー入りの可能性を持つ選手は多くいるだけに、今後1年半での“アピール合戦”を求めたい。
日本代表史上初の8年間の長期政権となる見込みの森保ジャパンは現在、かつてないほどチーム全体の完成度が高まっている。そこに新戦力が入り込む要素は少ないかも知れないが、ここから1年半の間にメンバーの入れ替えがないようだと、それは「停滞」になる。8大会連続のW杯出場への扉がほぼ開いた今、本大会へ向けたメンバー争いが激しければ激しいほど、“ベスト8の壁”を打ち破れる可能性が高くなるはずだ。(文・三和直樹)