3年連続最下位からの巻き返しを狙う中日にとって、今オフの最大の懸案事項は、ライデル・マルティネスの残留交渉だ。
【写真】中日の“気の毒な投手”といえばこの人 将来は移籍の可能性も?
中日の絶対的守護神を務めてきた右腕の実力は際立っている。今年は43セーブで、2度目の最多セーブのタイトルを獲得。近年の防御率を見ると22年が0.97、昨季が0.39、今季が1.09と安定感抜群だ。3年契約が切れる今オフ、複数球団による争奪戦がすでに始まっていて、日本一に輝いたDeNA、パリーグ覇者のソフトバンクが獲得を検討していることが報じられた。
マルティネスの推定年俸は2億円だったが、スポーツ紙デスクはこう語る。
「3年契約を結んだときの年俸ですが、その後3年間の活躍を見れば破格の安さでした。今の実力を考えると、年俸10億円を提示する球団が合っても不思議ではありません。実際にソフトバンクは昨オフにロベルト・オスナと4年総額40億円の大型契約を結んでいる。マルティネスにもこの額に近い年俸を提示する可能性があります。マネーゲームになると中日は分が悪いが、功労者に対して最大限の誠意を示す必要があります。年俸7、8億円で4年以上の長期契約を提示する価値は十分にあるでしょう」
マルティネスの慰留に全力を注ぐだけでなく、中日は新戦力の補強も必要なはず。だが、今オフにメディアで報じられた補強は、ソフトバンクから戦力外通告を受けた25歳左腕、三浦瑞樹のみだ。三浦は3年目の今季、ウエスタン・リーグで防御率1.60をマークし、最優秀防御率を受賞。育成契約を結ぶ見込みであることが、中日スポーツで報じられた。ただ、この補強だけでは心もとない。
懸案は先発陣だ。小笠原慎之介がポスティング・システムを利用してメジャー挑戦することが決まり、福谷浩司も国内FA権の行使を公表した。福谷は残留する可能性があるが、それでも先発のコマがそろっているとは言えない。計算できる投手はチームで唯一2ケタ勝利を挙げたエースの高橋宏斗のみ。ベテランの涌井秀章、大野雄大、松葉貴大にいつまでも頼れず、柳裕也、梅津晃大、松木平優太らも安定した成績を残せていない。