それに加えて必要になるのは、「やって欲しくないこと」を伝えることです。

 というのも「誰にも求められていないことを、良かれと思って進める人」がいるパターンもよくあるからです。

 もちろん善意で行ってくれているのは、よくわかります。

 しかし、「それって必要ないよね」ということを熱心に進めてくれるタイプには「今は、それをやって欲しくない」とストレートに言うと「自分の努力を見てくれないのか!」と怒りだしてしまうケースがあります。

 これは、はなさかじいさんで例えるのであれば、休憩のたびに「みんなのクワを磨く」「掘った穴の深さを計測する」「犬のマッサージを始める」というタイプです。

 つまり「クワはすぐに汚れるから、磨く意味はない」と言ったとすれば「人の努力を認めないのか!」と怒り出す可能性があるということです。

 とはいえ、指摘をしておかないと財宝が出たときに「犬のマッサージをしたから、分け前を増やして欲しい」と言い出す可能性だってあるのです。

 もちろん、これらは無意味なことではありません。しかし、それよりもそのときに必要なことは「休憩で身体を休めること」です。

 またこうしたケースの場合には、「いつもありがとう」と感謝を伝えることは重要です。

 そのうえで、「まずは穴を掘って欲しい」と丁寧に伝えて、「あなたの力が必要なんです」と伝えるのがいいでしょう。
 

 何も言わなくても「誰かがわかってくれる」と期待して行動しても、言葉にしないと多くの人は意外とわかってくれないものです。

 また、お願いしたいことなどは、齟齬が生じないように、なるべく言葉にしておいたほうが、のちのちムダな労力を用いる必要がなくなったり、二度手間が生まれなかったりします。

「やって欲しいこと」「やって欲しくないこと」は明確にして、円滑なコミュニケーションを行えるようにしましょう。

(ぱやぱやくん)

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」