21年春には大阪杯で初の中距離に挑戦するも、ここは重馬場もあって4着に終わり3階級制覇はならず。それでも続くヴィクトリアマイルを圧勝し、秋にはマイルチャンピオンシップを連覇。ジェンティルドンナに次ぐG1レース6勝をマークしてターフを去った。
この3頭以外にも、菊花賞と有馬記念を連勝したサトノダイヤモンドや、天皇賞(春)を連覇したフィエールマンなどディープインパクト産駒の活躍馬は数多いが、挙げていくとキリがないので、ここからは海外での活躍馬に目を向けてみよう
海外でも多くの産駒がG1を勝ったディープインパクト。勝ち馬たちは日本から遠征した馬や日本で生まれた後に海外でデビューした馬、海外で誕生した馬などさまざまだ。その中でも一番の活躍馬はと言えば、2021年に英オークスで歴史的な圧勝を見せたスノーフォールだろう。
スノーフォールは母が来日してディープインパクトと交配し、2018年に日本で誕生。アイルランドに渡って名門エイダン・オブライエン厩舎に預けられたが2歳時は7戦して未勝利戦の1勝のみと目立った存在ではなかった。当時の主な話題と言えば、英G1フィリーズマイルで同厩馬のマザーアースと取り違えられたまま出走してしまったくらいだ(当初は3位入線と発表もミス発覚後は8着で確定)。
しかし翌21年になるとスノーフォールは覚醒。初戦で重賞勝ちを果たすと、6月の英オークスではレース史上最大着差となる16馬身差の圧勝を飾った。さらにスノーフォールは愛オークスとヨークシャーオークスも連勝。だが秋は凱旋門賞で6着に終わるなど3戦して勝てず、年明けの1月には骨盤の骨折で安楽死処分となってしまった。現役馬としても、繁殖牝馬としてもまだまだ活躍を見てみたい名牝だった。
オーストラリアで最も活躍したディープインパクト産駒はマイルG1を3勝したフィアースインパクト。日本で生まれた後にイギリスでデビューするもパッとせずオーストラリアへ移籍した馬だが、じわじわと力をつけて19年にはトゥーラックハンデキャップとカンタラステークスの両G1を連勝。20年にもマカイビーディーヴァステークスを制した。