逃げ馬の華と言えば、やはり後続を置き去りにする大逃げ。ウマ娘でも一部のキャラは「大逃げ」をスキルとして取得できる。現時点で大逃げ可能なキャラはサイレンススズカ、メジロパーマー、ツインターボの逃げ専門キャラに加え、ダイタクヘリオスとカツラギエースを含めた5人となっている。
逃げ馬スキル獲得の条件は史実に絡めたものとなっており、例えばツインターボなら実際に大逃げを決めた七夕賞を勝つことで、メジロパーマーならいずれも人気薄で逃げ切った宝塚記念と有馬記念を勝つこと、サイレンススズカは重賞6連勝と天皇賞(秋)を勝つことなどだ。
ゲーム的には(大量のスタミナを要求されるため)必ずしも強いとは言えない「大逃げ」だが、そこは浪漫重視で楽しむのも大いにアリ。史実では悲劇で終わったサイレンスズカで天皇賞(秋)を逃げ切り、大逃げスキルを獲得する。そのカタルシスは言うまでもないだろう。
ダート馬では「砂のサイレンススズカ」とも呼ばれたスマートファルコンが実装されている。実は後から実装されたコパノリッキー(逃げだけでなく先行適性も高い)の方が強いケースもままあるのだが、ゲームでは「ファル子」を自称するアイドルキャラとして非常に人気のあるキャラだ。
史実のスマートファルコンは中央競馬所属ながら地方競馬の交流重賞を転戦することが多く、このエピソードからゲームでは地方回りも辞さない苦労系アイドルのキャラ付けがされている。2022年4月にはそんなスマートファルコンをメインとした「みんなでトップウマドルプロジェクト」イベントが開催され、ユーザーたちが3日間で集めたファンの総数は3兆3642億3166万9265人という、ファル子を地球どころか銀河系規模のトップアイドルへと推し上げる結果となった。愛が凄すぎる……。
そのほかにもスーパーカーの異名を取って「強すぎる」とまで言われたマルゼンスキー、極限まで調教で鍛え上げてサイボーグと呼ばれたミホノブルボン、ダービーでの「ナカノコール」が伝説となったアイネスフウジン、当初の低評価を覆してG1レース7勝の大活躍を見せたキタサンブラックが、いずれも史実を生かした魅力的なキャラとしてウマ娘で愛されている。
もちろんここに取り上げた以外にも個性的な逃げ馬はたくさんいる。あなたがぜひウマ娘に実装してほしいと願う逃げキャラは誰ですか?(文・杉山貴宏)