佐々木が驚異的なのは、個人馬主としては一生に一頭を持てるかどうかというG1馬を立て続けに所有できたこと。2016年に秋華賞を勝ったヴィブロスは、2017年3月にドバイターフをも制して海外G1勝利の偉業を達成した。ちなみにドバイターフの1着賞金は360万アメリカドル。日本円にして約4億円という高額レースだ。なお、ヴィブロスは2018年もドバイターフに挑戦して惜しくも2着だったが、賞金120万アメリカドル、日本円で約1億3000万円をゲットしている。

 また佐々木は2017年の秋には、ヴィルシーナの半弟にしてヴィブロスの半兄にあたるシュヴァルグランでG1ジャパンカップを勝利。それまでも天皇賞(春)2着や有馬記念3着などG1で好走の多かったシュヴァルグランも2018年8月時点ですでに総賞金は8億7000万円を超えている。

 特筆すべきは、佐々木は数多くの所有馬を抱えるタイプの馬主ではなく、年間2頭ペースの所有を馬主となってから15年近く貫いている。それでいて早くもG1馬を3頭も所有し、20億円以上もの賞金を得ているのだ。この成功ぶりは並大抵のものではない。

 サブちゃんや佐々木ほどのインパクトこそないものの、活躍馬を所有する幸運に恵まれた有名人はまだまだいる。芸能界の大御所、萩本欽一は個性的な逃げ馬として人気を集め、1999年のG3小倉記念を勝ったアンブラスモアの馬主だった。北島と同じ演歌歌手の前川清は、サブちゃんのG1初制覇よりも早い2007年にコイウタでG1ヴィクトリアマイルを制している。

 風水などで有名な“Dr.コパ"こと小林祥晃も馬主として成功した人物だ。コパノリチャードで2014年のG1高松宮記念を勝ったほか、ダート路線で強豪として長く君臨したコパノリッキーはG1フェブラリーステークス2勝を筆頭にかしわ記念や帝王賞などJpn1(いわゆる地方交流G1)を9勝し、中央と地方合計で10億円程度を稼ぎ出している。

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