ぱやぱやくん最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』より(イラスト:なかきはらあきこ)
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 現代社会という「戦場」において、心の負傷を抱えたとき、まず「助けを求める」勇気が必要だとXフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんは語ります。戦場で負傷した兵士が声を張り上げて救援を求めるように、心がボロボロになったときも、周りに知らせなければ誰にも気づかれないまま消耗してしまいます。自身の経験を踏まえ、精神的なダメージへの対処法として、著者最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。

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 戦場において、負傷をしたときには、何より、大きな声で助けを求めることが必要です。

 たとえばですが、「衛生兵!」「撃たれた!」「助けてくれ!」「I need help!」などの言葉を大きな声で叫ぶのは、すごく大切なことです。

 たくさんの人が入り乱れる戦場においては、そうしなければ、誰にも気づかれずに、体力を消耗しつくして死んでしまうのです。

 戦場では、誰しもが「生きるか死ぬか」の状況に置かれています。なので、ほとんどの人は、周りに気を遣っている場合ではありません。
 

 また人間の特性として、何かと戦っている状態においては、自分の能力をフルパワーで発揮しようとします。

 これを言い換えるならば、交感神経が優位となった状態と言えます。すると、呼吸が速くなったり、視野が狭くなったりしますし、そのうえ耳も聞こえにくくなります。

 その結果、通常の生活では気づけるようなことも、そもそも本当に、目や耳に入ってこなくなってしまう可能性があります。

 周りの人がそうした状況に陥っているにもかかわらず、あなたが負傷したときに「誰かがきっと助けてくれる……」と黙っていたら、出血多量で意識を失い、そのまま助からないという悲惨な未来が待ち受けていることになるでしょう。
 

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