自由な表現としての日記
pha:品田さんは日記を毎日欠かさず書いているのがすごいと思います。
品田:1週間に1回まとめて書くといったようなことができない性分のため、毎日書くようにしています。習慣にしてしまえば、どんなに眠くても寝る前に書くことができますよ。日によってはいたずら書きで終わらせる日もありますが、そこは甘えちゃっています。
pha:僕も日記は書いていますが、とりあえずメモだけ取っておいてやる気が起きたときにまとめるという感じで、4〜5日に1回のまとめ書きになっちゃってます。品田さんは、日記を読み返しますか?
品田:日記や本などはほとんど読み返さないです。自分がこんなことを書いていたのかということを直視することが苦手なんです。自分を鏡で見ることすら苦手なもので……。
pha:鏡を見られないと、動画出演のときなどは誰が見た目を整えてくれるんですか?
品田:誰もやってくれないので、髪型がいつもランダムです。動画のコメント欄をみると、「恐山の今日の髪型はすごいな」といったコメントがポツポツと来るので、髪型おかしかったんだって後で気付かされることもあります。そういえば、phaさんは、日記を読み返すことはあるのですか?
pha:僕は、むしろ読み返すために日記を書いているといっていいくらいですね。過去にこういう1日があったんだということを思い出して、振り返りたいから書いているので、日付は必ず入れています。そういう意味では、日記なのに日付を取ってしまうという、品田さんの日記はあまり他にないものだな、と思いました。
品田:歌人の穂村弘さんが著した「にょっ記」という日記的なテイストのエッセイがあるのですが、こちらを読んだとき、日付が「○○月××日」というような形式で表現されていたんです。これに驚くと同時に、この独自のアプローチは素晴らしいと思い、私もあえて日記に日付を記載しないことにしました。
pha:『にょっ記』は本当かウソかわからないような雰囲気がいいですよね。本来日記は事実を書くものだけど、日付を入れないことによってそのへんを曖昧にできるんでしょうか。
品田:そうなんです。そのため日記が急に物語になるような展開もあったりします。