インターネットの話、日記の話ですぐに打ち解け合うphaさんと品田さん(撮影/中山圭)
インターネットの話、日記の話ですぐに打ち解け合うphaさんと品田さん(撮影/中山圭)
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 2024年10月25日、東京・高円寺の蟹ブックスにて、『納税、のち、ヘラクレスメス』の刊行を記念し、品田遊さんとphaさんの異色対談が実現。ライター、小説家、漫画原作者、YouTuberとして幅広い分野で活躍する品田さんに対し、蟹ブックスのメンバーであり、元「日本一有名なニート」としても知られるエッセイストのphaさんが問いを投げかける。果たして品田さんはどう応じたのか。大きな盛り上がりを見せた注目の対談から一部を要約し、前後編でお届けする。

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pha蟹ブックスでは、品田さんの前作の『キリンに雷が落ちてどうする』がとても売れ行きがよかったんですよね。それで気になって、僕も『ウロマガ』を読み始めたんですが、本当に面白くて、これだけとりとめがなく抽象的な内容を毎日次々と生み出せることにとても感心しました。

品田:ありがとうございます。実は私が書いている文章のロールモデルの中に、phaさんの文章が含まれているんです。インターネットの世界で活躍している方として、とても印象的でした。特に、Twitterの初期、2010年代前半のインターネットの雰囲気を感じていたとき、phaさんのシェアハウスに集まるネットの人たちが大きな存在として映っていて、無意識のうちに影響を受けていたのかもしれません。

phaそれはうれしいですね。今回の『納税、のち、ヘラクレスメス』を拝見すると、断片的な感じがとてもインターネット的な文章だと感じました。ネットから紙にすることで、何か変えたことはありますか?

品田:本にするには最低限の体裁を整える必要があると思っていましたが、整え過ぎるのは嫌だったので、基本的にはとりとめのないままにしておきました。

phaなるほど、気楽に読めて疲れなくてとてもよかったです。

品田:ただ、連続したビックリマーク(!)はネット上の横書きでは問題ないのですが、紙の縦書きにするとおかしくなるので、そこは消すようにしています(笑)。

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