まわりに人はいても、自分はひとりぼっちだと感じてしまうのです。
母親を心疾患で突然に亡くした40代の女性は、「私はひとりぼっちになりました」と私どものところに来られました。
「私の一番の理解者であった母が亡くなって、体の中にぽっかりと穴が空いてしまったようなのに、兄も夫も子どもたちも、そんな私の気持ちを気づかってもくれないんです。
自分から「助けて」と言ってみる
もう私のことを思ってくれる人はだれもいなくなりました。
母はいないのに、夫と子どもたちとは何も変わらない生活が続いていくことが苦しくて……。『大丈夫、大丈夫』と自分に言い聞かせることでなんとか日々を過ごしています」
このように気持ちを打ち明けてくれました。
自分に対して「大丈夫」といくら言い聞かせても、気がつくと限界を超えていることがあったりします。
「助けてほしい」「手伝ってほしい」という言葉は、簡単には言いにくいものかもしれません。身近な人であっても、心配をかけたくないという思いもあって、なおさら言いづらいこともあります。
一方、まわりの人もひどく落ち込んでいるあなたの姿を見て、力になりたいと思いつつも、どのように接していいかわからないでいる場合があります。あなたから頼られるのを待ってくれている人もいるのかもしれません。
先ほどの女性はある日、学生時代の友人に電話をして、自分の今の状況を話してみたそうです。
すると、こんな声が返ってきたとのことです。
「心配していたの。だけど、なんて声をかけていいかわからなくて、あなたからの連絡をずっと待っていたのよ」
それからは、ときおりその友人に電話をして話を聞いてもらうようになったといいます。