選挙が終わるのを待っていたのだろうか。大阪府警は10月30日、違法な販売預託商法(オーナー商法)で太陽光発電設備などを売ったとして、山形県酒田市の再生エネルギー関連ベンチャー「チェンジ・ザ・ワールド」(破産手続き中)の元社長・池田友喜容疑者ら6人を預託法違反の疑いで逮捕した。池田容疑者は、先日の衆院選で4回目の当選を果たしたばかりの加藤鮎子前こども政策担当相と親しく、加藤氏が環境大臣政務官を務めた後に環境省から賞を受けたことを預託販売の営業に利用していたことなどが国会でも問題視されていた。
運用益などを約束して、販売した現物は事業者が預かったままの「オーナー商法」は、ジャパンライフ事件などで多くの被害者を出したため、2022年6月の改正預託法で原則禁止となった。チェンジ社は同年6月以降も消費者庁の定める要件を満たさない販売預託契約を結び続けていた疑いがある。チェンジ社は23年2月に破産を申し立て、東京地裁で破産手続きに入ったが、負債総額は約38億円、債権者は約1万2千人に及んでいる。
池田容疑者が設立した法人の監事だった加藤氏の夫
AERA dot.は、チェンジ社のオーナー商法の問題と、加藤氏や加藤氏の夫がチェンジ社と関係が深いことを昨年10月の記事で報じている。
加藤氏の地盤である山形3区は、チェンジ社がある酒田市などが選挙区。池田容疑者がチェンジ社とは別に設立した一般社団法人「日本西海岸計画」は、池田氏が代表理事を務め、加藤氏の夫が監事を務めていた。同法人が開いたパーティーには加藤氏も出席し、あいさつをしたり、テキーラを飲んだりする姿が同社のSNSに投稿されていた。
また加藤氏の政党支部の政治資金収支報告書(2021年分)を見ると、チェンジ社に「WEBサイト維持管理費」「HP改修費用」として、計60万円ほどが支出されていることもわかっている。
加藤氏は2019年9月から約1年間、環境大臣政務官を務めていたが、チェンジ社は20年の環境省グッドライフアワードの「実行委員会特別賞 サステナブルデザイン賞」を受賞している。そして、チェンジ社はSNSなどでその受賞をうたい、事業を広めていた。