「環境省のお墨付きで契約したのに」
「環境省がお墨付きで賞を出しているといううたい文句で販売され、加藤氏もSNSに出ていたので信用して契約したのですが、事業破綻してしまい、腹が立ってなりません」
と約600万円の被害に遭ったという大阪在住のAさんは憤る。
加藤氏が環境省の政務官だった時期と加藤氏と関係が深いチェンジ社の受賞が近いため、チェンジ社内の事情に詳しい人も「加藤氏と親しいから選ばれたのでは」と話していた。このため、AERA dot.編集部が前回の記事を出す前に加藤氏の事務所に問い合わせたところ、
「(受賞は)当該分野に知見を有している有識者で構成された実行委員会で厳正な選考を行われているとのことです。政務官などの意思が働く余地はまったくありません」
と否定していた。
国会での質問に「お答えは控えます」
この問題は国会でもとりあげられた。
今年4月10日の衆院内閣委員会で、緒方林太郎衆院議員(有志の会)が質問に立ち、AERA dot.の記事などをもとに、当時大臣だった加藤氏に質問をしている。
池田容疑者と加藤氏や夫が「近しい関係だった」のではないか、との質問に加藤氏は、
「主人のほうが先に池田氏と知り合っておりまして、同じ若手起業家の集まりに参画をしていた」
と答弁。太陽光発電を業務とするチェンジ社に加藤氏の政治団体がウェブサイトの発注をしたのは関係が近しいからではないかとさらに追及されると、
「親しい関係にあったからというよりも、ウェブデザインやホームページ制作のセンスがいいとの評判を聞きましてお願いをした」
と加藤氏は説明した。
そして、チェンジ社が環境省の受賞を投資の宣伝に使っていたこと、その後の経営破たんで1万2千人もの被害者が出ていることの責任について問われると、加藤氏は、
「チェンジ社が私と関係が近いことをうまく喧伝してビジネスを行っていたとすれば、まったくの不本意で、大変残念なことだ」
と答えた。
すらすらと答弁をしていた加藤氏だったが、加藤氏の夫がチェンジ社への出資や投資をしたことがなかったかと緒方議員が尋ねると、
「お答えは控えさせていただきます」
と、この質問だけは回答を避けた。ちなみに、加藤氏の夫は、加藤氏の政治団体の会計責任者を務めており、まったくの私人というわけではない。