チェンジ社の債権者に加藤氏の夫の名前
そこでさらに取材を重ねたところ、加藤氏の夫がチェンジ社の創業間もないタイミングで、チェンジ社の商品に投資していたことがわかった。
現在、チェンジ社の破産手続きが進んでいるが、その事件記録の中にある〈債権者一覧表〉を見ると、リストに加藤氏の夫の名前があり、約111万円の債権額が記載されている。つまり、加藤氏はチェンジ社と利害関係にあったわけだ。
また、加藤氏の政治団体の収支報告書を調べると、池田氏関連の支出は、前出のWEBサイト関連の約60万円のほかに、2022年にも池田氏の親族が経営する酒田市の会社に、「インスタグラム管理費用」として38万2千円、「動画編集費用」として83万6千円と計120万円以上が支出されていることが新たにわかった。
被害者のAさんは、こう話す。
「加藤氏の国会答弁も繰り返し聞いたが、緒方氏の質問にしっかり答えていない。加藤氏の夫が関与していたとなれば、ますます疑念が募ります」
国会で質問した緒方議員に、加藤氏の夫がチェンジ社に投資をしていたことを伝えると、
「やはりチェンジ社に投資をしていたのですね。加藤氏の答弁が急にトーンダウンした様子で変だなと思っていました。加藤氏の夫は長く加藤氏や加藤氏の父の紘一氏(故人)の会計責任者として公的に政治にかかわっている。加藤氏がその投資を知っていて答えなかったとすれば問題だ。夫は会計責任者ですから公人で、個人的なことだと隠したりはできないはずです」
と話した。
改めて加藤氏の事務所に、会計責任者である加藤氏の夫がチェンジ社に投資をして債権があることや、国会で答弁を控えた理由、池田容疑者の逮捕とその責任などについて聞いたところ、次のような回答だけが文書で送られてきた。
「ご質問の内容は衆議院内閣委員会における質疑と同じ内容で、丁寧に答弁しているところですので、該当会議録をご覧ください。加藤の配偶者に関する質問についてのお尋ねですが、別人格の民間人の経済行為に関することであるので答弁を差し控えたところです」
(AERA dot.編集部・今西憲之)