「ゴルフか、子どもか」どちらかを取らなければいけないのか
「子育てとの両立はできないと思っていました。ツアーに参加していると、自宅にいることができるのは月曜日だけなんです。たとえば、地方でツアーがあるときは、競技が4日間なので、練習期間なども考えると、遅くとも火曜日の朝には家を出ないといけない。すると、子どもの世話を頼める人が近くにいないと両立ができないんです。私の場合、実家は熊本ですし、主人も働いているので、子どもの面倒を見る人がいませんでした」
子どもが欲しいと思い始めたのは、30代になってからだという。しかし、競技を諦めなければいけない可能性が高いため、「なかなか子どもをつくるという決断ができませんでした」と話す。
「ゴルフか子どもか、どちらかを取って、もう一方を諦めなきゃいけないのかなっていう悩みがすごくありました」
そんななか、何が決断を促したのだろうか。有村さんは「妊娠する体と、ゴルフをする体が正反対であることがわかった」と話す。
「妊活をしながらツアーに出ていた22年は、夏場くらいから妊活に時間を取られることが多くなりました。本来ならトレーニングをしなければいけない日に病院に行かなきゃならなかったり、やってはいけないトレーニングがあったり、そもそも体を休ませなきゃいけなかったりして……。逆に病院へは行かず、大会に備えてゴルフに専念しなければいけないときもあって、この生活は限界があるなと感じていました」