ドジャースでプレーする大谷翔平、山本由伸がワールドシリーズに出場したことで例年になくMLBのポストシーズンが注目されたが、大舞台では良くも悪くも“別人”になってしまうプレイヤーも存在する。過去にはどんな選手がプレーオフに強く、そして弱かったのか。1990年代以降にプレーした名プレイヤーたちから振り返ってみたい。
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1990年代から2000年代にかけては、“悪の帝国”ヤンキースに勝負強い選手がそろっていた。野手ではデレク・ジーター遊撃手が16度のポストシーズンで通算158試合とレギュラーシーズン並みの出場を果たし、打率.308(650打数200安打)、20本塁打、61打点、18盗塁という成績をマーク。2000年にはワールドシリーズMVPに選ばれるなど世界一を5度経験。2001年のワールドシリーズ第4戦では、日付が11月1日に切り替わった直後の延長10回裏に劇的なサヨナラ弾を放ち、“ミスター・ノベンバー”と呼ばれた。
投手では歴代最多の通算652セーブを記録した守護神マリアノ・リベラの大舞台での安定感は異常なほど。同じ時代にプレーしたジーターと同じく16度のプレーオフを経験し、通算の登板数(96)、セーブ数(42)が歴代最多というのも十分凄いが、その防御率は0.70。レギュラーシーズンの通算防御率は2.21であり、シーズンベストの数字が2005年の1.38だということを考えても、いかにポストシーズンに強かったか分かるだろう。1999年のワールドシリーズ、2003年のリーグ優勝決定シリーズではMVPに選ばれている。
他にも先発左腕のアンディ・ペティットがプレーオフ通算の歴代最多となる44試合に先発登板し、同最多となる19勝をマーク。野手では2009年のワールドシリーズでMVPとなった松井秀喜外野手が56試合の出場で打率.312(205打数64安打)、10本塁打、39打点と勝負強さが光った。2009年を最後にワールドシリーズ制覇から遠ざかっているヤンキースだが、1996年から2009年の間に3連覇を含む5度の世界一となれたのは戦力的なことはもちろんだが、“ここぞ”で力を発揮できる選手が集まっていたからだろう。