投手ではドジャースの左腕クレイトン・カーショーの苦戦が目立つ。

 これまで通算212勝、サイ・ヤング賞3度と殿堂入り間違いなしと言われているカーショーだが、プレーオフではこれまで通算39試合(うち32試合が先発)に登板して13勝13敗、防御率4.49。レギュラーシーズン通算17年間の防御率が2.50なのと比べるとグッと悪化する。地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズで分けてみても、その全てで防御率が4点台中盤から後半とポストシーズンとの相性の悪さは明らか。昨年まで12度プレーオフに出場しているが、ワールドシリーズ制覇はコロナ禍でシーズンが短縮された2020年の一度だけ。エースが大舞台で強さを発揮していれば、ドジャースの世界一の回数はもう少し増えていたかもしれない。

 サイ・ヤング投手では同じ左腕のデビット・プライスもポストシーズンに9度出場するも、通算23試合(うち14試合が先発)に登板して5勝9敗、防御率4.62。レッドソックス時代の2018年のワールドシリーズでは2勝、防御率1.98と世界一に貢献したが、キャリアを通してみればプレーオフでは勝負弱かったと言える名投手の一人だろう。

 今年のワールドシリーズではドジャースのフレディ・フリーマン一塁手がワールドシリーズでは史上最長となる6試合連続ホームランを放つなど、MVPに輝いた。大谷は第2戦での肩の負傷もあり、ワールドシリーズでは苦戦も目立ったが来シーズンは大舞台で勝負強さを発揮し、2連覇の主役になることを期待したい。

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