2010年代に3度のワールドシリーズ制覇(2010年、2012年、2014年)を果たしたジャイアンツも投打ともに大舞台に強い選手が存在した。

 野手でクラッチぶりが目立ったのがパブロ・サンドバル三塁手だ。自身2度目となった2012年のワールドシリーズでは3本のホームランを放つ活躍を見せてMVPを獲得。また、2014年も本塁打こそなかったものの、ワイルドカードゲームからの17試合で26本のヒットを量産し、チームの世界一に貢献している。特にワールドシリーズには強く、3度の出場で12試合に出場して打率.426(47打数20安打)、3本塁打、8打点という好成績を残している。

 投手では通算134勝の左腕マディソン・バムガーナーが桁違いの強心臓ぶりを発揮。20歳で出場した初めてのプレーオフでは地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズで1試合ずつ、計3戦に先発してすべての試合でクオリティスタート(6回以上を投げて自責点3以下)を記録。ワールドシリーズでは強打のレンジャーズ相手に8回3安打無失点の好投を披露した。サンドバルと同じく最も重要なワールドシリーズで無双し、通算5試合(うち4試合が先発)に登板して4勝0敗、防御率0.25。2014年にはロイヤルズ相手に初戦で先発して7回1失点で勝ち投手になると、第5戦で完封勝利を記録。そして、勝てば世界一となる最終第7戦では3番手で登板して5回を無失点に抑え、見事シリーズMVPを獲得している。

 一方で1990年代後半から2000年代前半に強さを誇ったアストロズで主軸を担ったクレイグ・ビジオ二塁手、ジェフ・バグウェル一塁手は大舞台で弱さが出てしまった選手。ともにのちに殿堂入りするまでの名選手となったが、プレーオフではビジオが通算40試合に出場して打率.234(167打数39安打)、2本塁打、11打点。バグウェルは通算33試合で打率.226(106打数24安打)、2本塁打、13打点と力を発揮できず。チームも1997年から2005年までの9年間で6度ポストシーズンに進出しているが、彼らがプレーした時代にはワールドシリーズ制覇を達成することはできなかった。

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