阿部慎之助新監督が就任した今季、4年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした巨人。しかしクライマックスシリーズのファイナルステージではDeNAに敗れ、日本シリーズ制覇からは12年間遠ざかっていることとなる。
【写真】もし巨人に大山が加入したら…成長の機会を失う可能性ある若手がこちら
そんな巨人だがこのオフについては早くも補強の噂が出ている。フリーエージェント権を取得した大山悠輔(阪神)と甲斐拓也(ソフトバンク)の獲得調査に乗り出すというのだ。大山は今年コンディション不良もあって成績を落としたものの、2020年からは3年連続で20本塁打以上を放つなど阪神の主砲として活躍している。一方の甲斐もこれまでベストナイン3回、ゴールデングラブ賞6回を誇るパ・リーグを代表する捕手だ。この2人が獲得できれば戦力アップとなることは確かである。
しかし現有戦力とチームの将来を考えた時にこの2人の獲得に動くことは本当に有効なのだろうか。まず大山については主砲の岡本和真がメジャーに移籍した時の備えという意味が大きいように思われる。岡本と同じファーストで右の大砲である大山は確かにその穴を埋める候補として有力である。他球団から巨人に移籍すると注目度の高さから苦しむということもあるが、巨人と同様にプレッシャーの大きい球団である阪神で長年4番を務めてきた経験もあり、その点も大山の強みと言えそうだ。
ただ仮に岡本が抜けて、大山が加入したとなるとチャンスが減って成長の機会を失う若手が出てくる可能性は極めて高い。その筆頭と言えるのが秋広優人だ。昨年は高卒3年目ながら121試合に出場して111安打10本塁打、41打点、打率.273をマーク。今年は大きく出場機会を減らしたものの、まだ22歳と若く、将来の主砲候補の筆頭とも言える存在だ。まだ実績の乏しい秋広と阪神の4番を長く務めた大山を比べることがナンセンスだという声も聞こえてきそうだが、現在の主砲である岡本もプロ3年目の2017年まではわずか一軍で1本塁打だったのが、2018年にいきなり33本塁打を放って大ブレイクしており、秋広がそうなる可能性もあるはずだ。