荷物やモノが床にも散らかって落ち着かないリビング・ダイニング/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。 

【魅惑のアフター】仕事に明け暮れて家に無頓着だった私が片づけたら、月1回ホームパーティーを楽しむようになった

case.82 “理想の基地”としての家が完成 夫・子ども2人・母/医療関係

 家事を「手伝うよ」と言ったら、「“手伝う”じゃなくて一緒にやるんだよ」と返されてしまった。

 このような夫婦の“あるある”な状況では、多くの場合、「手伝うよ」と発言したのは夫です。でも、ゆうかさんの家庭では逆でした。

「私は仕事が忙しく、勉強することもあるので、朝6時半から仕事をして日付が変わる前に帰ればいいという生活でした。なので、うちでは一般的な夫婦関係が逆転。夫は勤務時間を調整できる仕事なので、私の働き方を尊重して、主に家事や育児をしてくれていました」

 それでもワンオペの家事には限界があり、家の中は散らかるように。今の家に引っ越したときの段ボール箱も整理しきれずにそのままの状態で、探し物や忘れ物に振り回される毎日でした。

「週末になったら自分が生まれ変わって、ものすごく片づけられるということを毎週夢見ていました。実際のところは、週末になったら疲れているし、せっかくのお休みだからお出かけもしたいと思って、何もできません。一生、こうやって悩むだけなんだろうなと思っていました」

 さらに、同居する母親の引っ越しの荷物は段ボール箱が120個以上。家の中は手のつけられない荷物だらけになってしまいました。積み上げられた段ボール箱の横を子どもが歩くと、崩れそうでヒヤヒヤすることも。

 もともと片づけが得意ではないゆうかさんは、以前からSNSなどで目にしていた家庭力アッププロジェクト®のことを思い出します。

「何年も前からずっと気になっていました。ちょうどこの頃、体調の関係もあって少し仕事をセーブしようと思っていて、プライベートを整えるいいタイミングだと思って参加しようと思ったんです」

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「部屋に血が通うような感覚」