この“3強”に今後、割って入る可能性がある大学はあるか。まずは出雲4位の創価大の名前が挙がる。昨季の創価大は、出雲で2位もドーピング違反で失格となった後、全日本6位、箱根8位だった。迎えた今季は、出雲で2区を任された吉田響(4年)の9人抜き&区間賞の走りが素晴らしく、今後の全日本、箱根も大いに期待できる4位フィニッシュとなった。ここに留学生のスティーブン・ムチーニ(2年)が加われば、さらに見せ場は作れるはずだ。ただ、優勝できるかと問われれば、現状では厳しそう。3強にアクシデント、ブレーキがあった際にチャンスがあるという位置づけだろう。

 城西大は昨季、出雲2位の後、全日本5位、箱根3位と三大駅伝全てでチーム最高成績を残して常に上位を争った。箱根メンバーからは6人が残った今季は、平林樹(4年)、ヴィクター・キムタイ(3年)、斎藤将也(3年)が三本柱を形成する。しかし、出雲ではキムタイこそ3区で区間賞の走りを見せたが、斎藤が1区11位と出遅れ、平林は4区で区間9位と平凡な走りに終わり、7位でのゴールとなった。戦力的にも箱根5区で2年連続区間新を更新した「山の妖精」こと山本唯翔が卒業したマイナス分は大きく、出雲の結果を考えると、今後も厳しい戦いになりそう。出雲2区で区間13位に終わった山中達貴(3年)の奮起に期待したい。

 昨季の箱根で4位となって“鉄紺復活”を印象づけた東洋大は、今回の出雲は11位に終わった。ただ、エースの石田洸介(4年)、主将の梅崎蓮(4年)が出雲ではエントリーせず、濱中尊(2年)、迎暖人(1年)、宮崎優(1年)と下級生が出走した。その経験を今後の全日本、箱根に繋げ、U20世界選手権男子5000m代表の松井海斗(1年)も含めて、下からの突き上げがあれば、上位争いに加われる力は間違いなくある。まずは全日本にエントリーされた石田の走りを確かめたい。目標は全日本での3位以内、そして11年ぶりの箱根優勝だ。

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