注目は千葉だ。オリジナル10の1つであるが、2010年からJ2暮らしが続いて今季が15年目。同じ境遇が続いた“お友達”の東京ヴェルディがJ1に返り咲いて上位に食い込んでおり、その東京Vに昨季プレーオフで敗れた千葉としては「今季こそ」の想いが強い。その中で開幕から不安定な戦いぶりが目立ったが、エースFW小森飛絢が8月25日の第28節からの7試合で12得点という圧巻のゴールラッシュを見せ、その間チームも6勝1敗の高勝率を誇った。守備陣も安定して来ており、このままの勢いでJ1昇格プレーオフに臨みたいところ。残り4試合が、甲府(H:ホーム)、藤枝(A:アウェイ)、長崎(H)、山形(A)と難敵揃いなのは気になるが、得点王レースも突っ走るエースの爆発があれば、J1昇格プレーオフを勝ち抜けるはずだ。
その千葉と最終節で当たる山形も“好調さ”では負けていない。第24節終了時点では勝点29の13位で6位まで勝点差9あったが、鹿島から地元出身の土居聖真が加わるとともに上昇気流に乗り、土居の移籍後初出場初ゴールで引き分けた第25節から直近の第34節までの10試合を8勝1分け1敗の快進撃で、6位との勝点差を1にまで縮めた。土居が10試合で4ゴール1アシストと奮迅の働きを見せているが、チーム全体としても攻守にまとまっている。残り4試合が清水(A)、熊本(H)、水戸(A)、千葉(H)と厳しい試合が2試合あるが、現在の調子を考えると逆転で6位以内に滑り込むことは十分にできるはずだ。
となると、脱落するのは岡山か仙台か。岡山は就任3年目の木山隆之監督の下、開幕から上位争いを続けてきた中で、夏の補強で一美和成、神谷優太らの実力者を加えたが、起爆剤にはなれず。8月以降の10試合を3勝5分け2敗と苦しんでいる。残り4試合は、いわきFC(H)、横浜FC(A)、藤枝(H)、鹿児島(A)。J3降格圏の鹿児島戦を最終戦に残している点は有利だが、それまでの3試合が厳しい。山形の追い上げを振り切り、さらにその後の昇格プレーオフを勝ち抜くには、ルカオ、一美のFW陣の爆発が求められる。