J1自動昇格圏をキープしている清水の乾貴士
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 かねてより「魔境」とも言われるJ2リーグは、10月の代表ウィーク突入を前に全20チームが34試合を消化し、レギュラーシーズン残り4試合を残すのみとなった。毎シーズン、“天国”と“地獄”に分かれるJ1昇格争いは今季、どのようなドラマが待ち受けているのだろうか。

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“ドラマ”と言っても、今季はJ1自動昇格圏の「2枠」は、ほぼ決まりだ。現時点で首位に立つのは、横浜FC(勝点74:22勝8分け4敗、得失点差+38)。開幕から4試合を1勝2分け1敗スタートも、徐々に、そして着実に調子を上げると、5月18日の第16節から破竹の8連勝をマーク。四方田修平監督の下、強固な守備をベースに福森晃斗の左足も生かしながら磐石の試合運びを続け、クラブ記録を上回る20戦無敗の記録も継続している。

 その首位を勝点差1で追うのが、開幕前から“大本命”に挙げられていた清水エスパルス(勝点73:23勝4分け7敗、得失点差+28)だ。乾貴士や北川航也など優れたタレント力に秋葉忠宏監督の“熱さ”をエッセンスにして攻撃サッカーを展開。5月、6月と低調だった時期を乗り越えた後は快調に勝点を積み上げて“2強”状態を形成した。その横浜FCと清水の優勝争いは最後まで続きそうだが、ともに残り4試合で3位以下に勝点差10以上をつけており、あと1勝で無条件にJ1昇格が決定する。

 一方、J1昇格プレーオフ圏内の“6位争い”は混沌としている。V・ファーレン長崎は前半戦の貯金もあって3位(勝点63:17勝12分け5敗、得失点差+27)。このままの順位でのフィニッシュが濃厚だが、4位のジェフユナイテッド千葉(勝点55:17勝4分け13敗、得失点差+22)、5位のファジアーノ岡山(勝点55:14勝13分け7敗、得失点差+14)、6位のベガルタ仙台(勝点55:15勝10分け9敗、得失点差+2)の3チームが同じ勝点で並び、7位のモンテディオ山形(勝点54:16勝6分け12敗、得失点差+11)がわずか勝点1差で追う。8位のいわきFC(勝点51:14勝9分け11敗、得失点差+12)も、まだ逆転のチャンスが残されていると言える。

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昇格プレーオフ争いの注目チームは?