【「もみじのトンネル」を走る】叡山電鉄 宝ケ池~鞍馬/京都市北部を走る。秋は何といっても「もみじのトンネル」が素敵で、トンネルを通過する列車は車内のあかりを消して徐行運転する(写真:叡山電鉄提供)

 11月、沿線に雪が舞うときがあるという。

「紅葉時に雪が積もることはないのですが、雲一つ無い青空からひらひら舞ってきます。真っ赤に色づいたモミジと空の青、そして白い雪。幻想的な光景です」

 京都にも、矢野さんおススメの秋の鉄道がある。京都市北部を走る「叡山電鉄」だ。

 出町柳駅(京都市左京区)から八瀬比叡山口駅(同)に向かう「叡山本線」と、途中の宝ケ池(同)から分岐する鞍馬駅(同)までの「鞍馬線」の2路線がある。とりわけ鞍馬線の市原駅(同)と二ノ瀬駅(同)の間は通称「もみじのトンネル」と呼ばれ、観光客の人気も集めている。トンネルの長さは約250メートル。そこに、イロハモミジやオオモミジが折り重なるように茂り、車窓いっぱいに枝を広げる。日中は赤や黄に色づき、夜はライトアップされ色づいたモミジが夜空に浮かび上がる。

 秋の京都は歩くのも楽しいと矢野さん。

「沿線には紅葉の名所がたくさんあります。途中下車しながら、秋を満喫できます」

(編集部・野村昌二)

矢野直美さん(やの・なおみ)/フォトライターとして、国内外を旅しながら執筆活動を続ける。著書に『おんなひとりの鉄道旅 東日本編・西日本編』など

AERA 2024年10月14日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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