生理前後の不調、更年期障害などさまざまな症状で、仕事との両立に悩む人は少なくない。職場では、どのようなサポートがあればいいのか。AERA 2024年10月7日号より。
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女性ホルモンの変動でPMS(月経前症候群)や更年期などの多様な症状を抱える人を、職場はどのように支援したらいいのだろうか。
化粧品や衛生用品などを製造販売する化学品メーカーの花王は、2008年に「花王グループ健康宣言」を公表。6分野の健康課題に取り組み、「女性の健康相談窓口」を開設したり、「女性の健康セミナー」を定期的に開催したりしてきた。
健康開発推進部の関根牧子マネジャーは「社員が活力をそがれた状態で働くことは会社としても大きな損失になる。それを避けるためには、本人が適切に相談・受診できることと、周囲のサポートが大切」と話す。
しかし、知識がないと過剰な配慮や誤った声掛けにつながりかねないため、23年から管理職向けに「女性の健康」を学ぶeラーニングを始めた。「生理休暇の申請を自分から言い出せない人も多いので、日頃から『生理休暇や傷病休暇はみんなの権利』だと伝えましょう」「長時間の会議は、経血量が多い日は服や椅子を汚してしまいそうで心配する女性も多い。適宜休憩時間を設けましょう」などと伝えているという。
花王グループの従業員のうち半数以上は女性だが、女性管理職は24.6%。専属産業医の藤戸まり子医師は「店頭美容部員から『ナプキンを取り替えられないのでオムツ型のものでしのいでいる』といった声も聞く。自分で工夫している人が多いが、マネージメントとして対応できることが望ましい。管理職向けの啓発を継続していきたい」と話す。
法人向けに「女性の健康」をサポートする企業もある。22年設立のLIFEMは「働く女性の健康課題を改善したい」と、月経や更年期に関するサポート「ルナルナ オフィス」を企業に販売している。日本のジェンダーギャップ指数の低さへの問題意識が背景にあったという。