立浪和義監督が今季限りでの退任を発表した中日。来年のチーム構想が注目される中、気になるのは、長年チームを支えてきたダヤン・ビシエドの去就だ。
「次期監督の有力候補とされる井上一樹2軍監督は、ビシエドの野球に向き合う姿勢を高く評価していました。ビシエドは来季も現役続行を望んでいますし、中日ファンから絶大な人気を誇る選手です。しかし球団フロントが契約延長を判断する際、チーム再建の観点で退団の可能性が高いのではないか」(スポーツ紙遊軍記者)
ビシエドは16年に入団し、今年が来日9年目。首位打者、最多安打のタイトルを獲得するなど強打者として活躍してきたが、立浪監督が就任以降は打撃改造の必要性を迫られてきた。昨年は91試合出場で打率.244、6本塁打、23打点で規定打席に到達できず、オフに同じ一塁を守る中田翔が加入。今季は出場機会が一気に減り、15試合出場で打率.209、1本塁打、2打点。6月9日に登録抹消されると、1軍に再昇格していない。チャンスがなかなか与えられない状況に、当然葛藤を抱えているだろう。だが、気持ちが折れることはなくファームの試合に出続けている。ウエスタン・リーグで71試合出場し、打率.295、8本塁打、30打点をマーク。
中日OBは残留の可能性もあると見ている。
「本当のプロフェッショナルだと思います。常に前向きな姿勢でナインを鼓舞し、相手球団の選手が好プレーを見せると笑顔で称える。若手の選手たちの良きお手本です。中日のファームが活気にあふれているのは、ビシエドの影響が間違いなくあると思います。外国人選手の相談に乗るなど人望が厚く、プレー以外でも存在感が大きい。あれほどの人格者はなかなかいません。全盛期より力は落ちていますが、バットは振れていますし1軍でまだまだ通用する。今年の年俸3億5000万円からの大幅減俸は不可避ですが、コーチ兼任で残留という選択肢もあります」