ーー岸田文雄首相が行った派閥解体の影響はあったのでしょうか
投開票日の朝、麻生(太郎)さんが河野(太郎)さんを切り、高市さんを支持する意向を固めたと報道されました。麻生派はいまだ自民党内で唯一残っている派閥ですが、麻生派からも多くの票が石破さんに流れたのではないでしょうか。「派閥の頭の指示に従う」という古い価値観に異を感じた人も少なくなかったはずです。それくらい高市さんの政策に危機感を感じたのではないでしょうか。また、これまで長年無派閥だった石破さんの「派閥は関係なく皆でやっていく」姿勢に共感した部分もあるのかもしれません。
ーー最後に今回の総裁選を振り返り、印象に残った点を教えてください
完全ではないものの、自民党の派閥がなくなり、初めての総裁選でした。派閥の枠に縛られることなく、お互いが自分の意見を表明できる環境が整い始めていると感じています。新しい政権には、これまでのしがらみをほどいてほしいと強く願っています。
(聞き手/AERA dot.編集部・板垣聡旨)