阪神の坂本誠志郎

貧打の中日だが懸念はディフェンス

 立浪監督が退任した中日は、リーグワーストの363得点(9月24日終了時、以下同)と長年解消されていない貧打がクローズアップされるが、未来を考えると決して暗くない。リードオフマンの岡林勇希、和製大砲の細川成也、石川昂弥のほか、福永裕基、村松開人、田中幹也と好素材が多い。むしろ懸念されるのはディフェンス面だ。本拠地が広いバンテリンドームでいかに失点を防ぐかが重要になるが、先発陣が心許ない。高橋宏斗は12勝4敗、防御率1.28と絶対的エースに成長したが、小笠原慎之介は5勝11敗と大きく負け越している。打線に恵まれない側面があるが、勝負所で踏ん張れない登板が多い。かつてエースとして活躍した大野雄大は2勝6敗、防御率4.87、柳裕也は4勝5敗、防御率3.76とふるわない。潜在能力はピカイチの梅津晃大も2勝6敗、防御率4.16と殻を破れていない。

 即戦力の先発投手が欲しいところだが、中日を取材するスポーツ紙記者は違った見方を示す。

「軸になる捕手を補強できれば、投手陣の数字が劇的に改善される可能性があると思います。個人的にFAで獲得してほしい選手が、坂本誠志郎(阪神)、大城卓三(巨人)の両捕手です。坂本は対戦した際に絶妙な配球で何度もやられてきました。投手の特徴を生かすリードに長け、ローゲームで勝ち切る経験値を持っている。若手の良きお手本にもなりますし、中日の目指す『守り勝つ野球』に合致する選手です。大城は『強打の捕手』として定評がありますが、捕手としての守る能力も非常に高い。巨人の投手陣から信頼されていますし、盗塁阻止率も高い。もちろん、打撃でも中軸で相手に脅威を与えられる。強いチームに変貌するためには、捕手の力が不可欠です。坂本、大城がFA権を行使したら、獲得レースに参戦するべきでしょう」

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FA補強は諸刃の剣だが