優勝争い、CS争いから脱落した球団は来季に向けての戦いが、すでに始まっている。西武は西口文也2軍監督が来季の新監督に就任することがメディアで一斉に報じられ、立浪和義監督が今季限りで退任した中日も井上一樹2軍監督の内部昇格が有力視されている。
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ただ、監督を代えただけではチーム再建を図れない。現有戦力の底上げが重要で、ドラフト、トレードのほか、FA補強も選択肢になる。
西武はFAで12球団最多の21人が他球団に流出している。90年代は黄金時代を支えた工藤公康、石毛宏典、清原和博、00年代以降も和田一浩(現中日1軍打撃コーチ)、涌井秀章(現中日)、岸孝之、浅村栄斗(共に現楽天)と主力選手が他球団に移籍。最近も22年オフに森友哉(現オリックス)、昨年オフには山川穂高(現ソフトバンク)が移籍した。
最下位に低迷した今季は得点力不足が大きな課題だった。補強ポイントを考えると、今年FA権を取得した阪神の不動の4番、大山悠輔はのどから手が出るほど欲しい。今年の推定年俸は2億8000万円で、権利を行使した時は複数球団による争奪戦の可能性が高い。資金力を考えると、マネーゲームは分が悪いと言われるが、実際はどうだろうか。
「ソフトバンクだったら条件面で太刀打ちできないが、ソフトバンクの一塁には山川がいるので獲得に動かないでしょう。他の球団との争奪戦だったら西武も参戦すべきです。今年は新外国人のヘスス・アギラーが推定年俸2億1000万円、フランチー・コルデロが推定年俸1億円です。2人は活躍できず、今季限りで退団が濃厚なので、計3億円以上を捻出できる。実力が未知数の助っ人外国人を獲得するより、実績ある日本人選手のほうが計算できます。大山は阪神残留もありますが、茨城出身なので在京球団の移籍を視野に入れる可能性がある。獲得できるかはともかく、FA市場に参戦して球団強化への本気度を示してほしいです」(民放テレビの関係者)