9月27日の投開票が迫った自民党の総裁選。9人の候補が乱立するのも史上初だが、岸田文雄首相が裏金事件を機に「派閥解消」を宣言し、少なくとも表向きは「派閥」単位で動かない自民党総裁選も初めてとなる。
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9人の候補の中で、前回、2021年の総裁選では2位だった河野太郎デジタル相、若手議員の支持を多く受けて最初に出馬表明した小林鷹之前経済安保相、旧茂木派を率いた茂木敏充幹事長らは伸びを欠いている。
国会議員票と党員・党友票が同じ数の1回目の投票では、党員・党友票を多く獲得できる候補が上位に来るとみられ、小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、高市早苗経済安保相の3人が有力視される。
1回目の投票で過半数をとれば勝利となるが、9人が立候補しているので決選投票となるのはほぼ確実とみられる。そして、自民党内では、
「小泉氏、石破氏、高市氏の3人のうち、2人が決選投票に残る」
との見方が大勢を占めている。
3パターンに絞られてきた決選の構図
そうなると決選投票の構図は、
① 小泉氏と石破氏
② 小泉氏と高市氏
③ 石破氏と高市氏
の3パターンが想定される。
記者が複数の党員に投票動向を聞いたところ、
「小泉氏はまだ早い、衆院の解散総選挙も今年中にはありそうなので人気の高い石破氏」
「政治とカネの問題で地に落ちたので、フレッシュな小泉氏」
「高市氏がいい。しっかり日本を守ってくれそうだ」
などという声があった。記者が聞いた計16人の党員では、石破氏支持が5人、小泉氏が3人、高市氏が3人で、残りは他の候補に票を投じたという。
自民党の閣僚経験者は、
「党員票に最も強いのが石破氏。次いで高市氏、小泉氏の順番。これが議員票になると小泉氏がトップで、高市氏と石破氏は横並び」
と推測するが、最終的な勝者についてはこう言う。
「派閥が解散となって初めての総裁選で、ボスの号令もなかなか届かないようで、わからない」