高市早苗氏

「石破氏は推薦人の集まりが悪かった。そこで菅氏に相談しようとしたが、菅氏はすでに小泉氏の支援を決めた後。石破氏は菅氏に近い武田氏らを通じてなんとかしようとしたが、うまくいかなかった。ただ、菅氏と高市氏は距離がある。菅政権で、高市氏は入閣もせず、党三役のポストももらえなかったことをみれば明らかです。石破氏と高市氏で争えば、菅氏がここぞとキングメーカーの力を発揮して『小石河連合』をまとめあげ、1回目は小泉氏や河野氏に投票した議員の大半が石破氏に流れるのではないか。高市氏がその牙城を崩すには、100人を擁した安倍派がまとまってくれるかがカギでしょう」(前出・閣僚経験者)

 高石氏は、総裁選告示直前に全国の約30万人の党員にリーフレットを発送したことで党選管から「注意」を受け、党内で批判的な声が広まっており、それが影響するとの見方もある。

「総裁選は最後までわからない」

 これまで数々の総裁選を内部から見てきた、自民党元政務調査役で政治評論家の田村重信氏はこう見ている。

「派閥がない総裁選で、これまでより議員は自由に動き、1票を投じることができる。どの議員に聞いても、最大の焦点は選挙に勝てる総裁。そのためには政治とカネの問題を払拭できる人がふさわしいと言っている。そうなるとリーフレット問題を抱え、政治とカネで追及を受ける高市氏は、議員票を入れる際に躊躇する人が出るでしょうから、一歩後退かもしれない。ただ、総裁選の歴史を見れば、思わぬ番狂わせが何度もあった。前回も土壇場で岸田首相が、優勢と思われていた河野氏に勝った。最後までわからない大接戦となるでしょう」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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