今季はここまで105試合の出場で打率.234、6本塁打、31打点。昨シーズンは開幕序盤の絶不調から抜け出し、結果的に“さすが”の成績を残したが、今年は最終盤になっても低空飛行のままだ。さらに、9月15日の中日戦(東京ドーム)は体調不良でベンチを外れるなど、「年俸分(6億円)の活躍はできていない」という声があがるのも無理はない。阿部監督も起用方法には頭を痛めているはずだ。
一部では、「坂本の状態が今後のチーム編成にも大きな影響を及ぼす」という声も聞こえてくる。
「坂本の三塁守備はリーグ屈指なので主砲・岡本和真は一塁起用となる。そうなると捕手ではなく一塁での出場が増えた打撃の良い大城卓三が使えなくなる。坂本次第で他選手の起用法を変えざるを得ない状況となっている」(在京球団編成担当)
岡本はかねてからメジャー挑戦願望があることを公言している。また大城は国内FA権を獲得しており去就に関して不透明な部分もある。坂本が常時出場できないとなると、岡本や大城との今後の交渉も重要になる。
「ハヤトを実力で押しのける選手が出てくるのが理想だが、なかなか難しい。(現在35歳と)年齢も高くなり調整も難しいだろうが、あと数年は可能な限り試合に出て結果を残してもらうしかないだろう」(巨人関係者)
記憶に新しいところでは、阿部監督や高橋由伸前監督などの生え抜き選手は惜しまれながらユニホームを脱いだ。「監督就任へ向けての早期での引退。坂本にも同様の処遇もありうる」とも言われるが……。
「阿部監督と高橋氏の晩年は代打中心での試合出場だった。坂本は守備での貢献度も高く、攻守での牽引役が期待される。実力で超えていく選手が現れるまでは引退するのは難しいのではないか」(在京球団編成担当)
坂本と同じ内野手では門脇誠、中山礼都、泉口友汰など若手選手も育ちつつある。しかし坂本を完全にベンチに追いやるような存在感を見せることができてはいない。
実現可能性としては低いものの3000本安打(9月23日終了時点で通算2410安打)という大目標もある。そして現場の必要戦力なのはもちろん、多くの人が見ていたいスーパースター。まだまだ数年はチームにとって働いてもらわないといけない人材ではあるのは間違いなさそうだ。