今年のオールスターにファン投票で9人が選出され、記者会見に臨んだ7選手。左から郡司、上川畑、万波、山崎、マルティネス、田宮、河野竜生

予言通りキーマンになったレイエス

 移籍してきた選手たちの活躍とともに、生え抜きの選手たちがチーム内の競争の中で台頭してきたことが、3年目の飛躍を生んだ。清宮幸太郎、万波中正、水野達稀、田宮裕涼と若手の成長株が核になり、石井一成、上川畑大悟、浅間大基、五十幡亮汰らが競い合う。中軸を打つ助っ人、フランミル・レイエスとアリエル・マルティネスの貢献度も高い。

 特に今季新加入のレイエスの夏以降の活躍は目をみはるものがある。8月は打率.403、8本塁打、23打点で月間MVPを受賞。9月に入っても球団記録の25試合連続安打と好調をキープし、ファンへの「公約」にしていた20本塁打もクリアした。

 北海道のテレビ関係者はこう証言する。

「入団時に前評判が高かったレイエスでしたが、春先は打撃の状態がなかなか上がらず、5月中旬にファーム降格を命じられました。本人は怒っていましたが、新庄監督は日本野球に適応するためにバッテリーの配球を勉強し、打撃のメカニズムを修正する時間が必要だと説得しました。この時から『レイエスは今年のキーになる』と新庄監督は予言していましたが、まさにその通りになりました。今ではレイエスが新庄監督に絶大な信頼を置いています。その場しのぎの起用法ではなく、常に先を見据えて頭をフル回転させている。レイエスに限らず、選手を過去の実績で特別扱いしません。色眼鏡で見ずにチャンスを与えるので、選手たちのモチベーションが高いんです」

 新庄監督就任時、日本ハムで実績がある選手といえば、2年連続ベストナインに選出された近藤健介くらいだった。だが、近藤は22年オフにFA権を行使してソフトバンクに移籍。新庄監督の「過去の実績で特別扱いしない起用法」に思うところがあったのでは、とも報じられた。

 それでも、新庄監督は方針を貫き、スター不在だったチームは、若手が次々と台頭する魅力あるチームに生まれ変わった。本拠地・エスコンフィールドは平日も大観衆で埋まり、活気あふれた応援で選手の背中を後押している。

 前出のテレビ関係者は「昔から応援しているファンだけでなく、新庄監督が就任してから日本ハムに興味を持って、『試合が面白い』と夢中になっている新規のファンも多い」と証言する。

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新庄監督の枠にとらわれないこれまでの生き方は