レッドソックス時代のノマー・ガルシアパーラ(ロイター/アフロ)
この記事の写真をすべて見る

 来年はマリナーズなどで活躍したイチローが現役引退から5年が経過し、米国野球殿堂入りの資格を得る。殿堂入りの条件とも言われる通算3000本安打をマークし、今でもメジャー記録のシーズン262安打を達成するなど資格1年目での快挙達成は確実視されている。

【写真】これぞ“神の領域”! メジャーの「不滅の大記録」をもつレジェンドはこちら

 だが、殿堂入りに想像以上に難しい。これまでもキャリアの序盤では殿堂入りを期待されながら、“安定的”に成績を残すことができずに栄誉を逃したスター選手も多く存在する。

 野手ではノマー・ガルシアパーラ遊撃手(レッドソックスなど)がその筆頭だろう。

 1994年のドラフト1位(全体12位)でレッドソックス入りしたガルシアパーラは1996年の8月末にメジャーデビュー。23歳で迎えた翌年に名門の遊撃手として定位置を確保すると、153試合に出場してリーグ最多の209安打をマークし、打率.306(ア・リーグ13位)、30本塁打(同15位タイ)、98打点(同20位)、22盗塁(同13位タイ)という好記録を残すと、オールスターへの初選出に加え、新人王、シルバースラッガー賞を同時に獲得した。

 その後も順調な成長を見せ、1998年シーズンは打率.323(同6位)、35本塁打(同10位タイ)、122打点(同7位)をマークして、MVP投票ではホアン・ゴンザレス外野手(レンジャーズ)に次ぐ2位に。1999年シーズンには打率.357を記録して初のタイトルを獲得すると、2000年には打率.372という驚異的な数字で、右打者としてはジョー・ディマジオ外野手(ヤンキース)が1939-40年に達成して以来となる2年連続の首位打者となった。この頃、他チームで強打の遊撃手として人気を集めていたアレックス・ロドリゲス(当時マリナーズ)、デレク・ジーター(ヤンキース)と並び、リーグを代表する選手の一人に瞬く間に上り詰めた。

 だが、2001年に手首の負傷で21試合の出場に終わると、その後は股関節の負傷などもあり、満足にシーズンを通して試合で出場できたのは2002年からの2年のみ。2004年のシーズン途中にはカブスにトレード移籍し、ドジャースを経て、2009年に在籍したアスレチックスを最後に現役を終えた。

次のページ
継続的な活躍ができず殿堂入りを逃した「投手」は?