中日の立浪和義監督が今季限りで退任することを表明した。中日は9月18日の阪神戦に敗れ、最下位に転落。クライマックスシリーズ進出の可能性も薄れ、4年連続Bクラスも濃厚になった。「結果を出さないといけない年だった」と低迷の責任を背負い込み、18日の試合後に球団側に申し入れ、その場で了承されたという。そんな立浪監督と同じく、今注目されているのが中日を長らく支えてきたダヤン・ビシエドの去就だ。広島が獲得すべきとの声も多いが、いったい、今後どうなるのか。過去に読まれた人気記事を振り返る。(この記事は「AERA dot.」で2024年9月17日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。
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中日を支えてきたダヤン・ビシエドの去就が注目されている。
2016年に中日に入団すると、広角にライナー性の打球を打ち分けるスタイルで中軸として活躍。18年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得するなど、中日に在籍した外国人選手で最多記録となる来日通算1012安打、549打点をマークしている。ただ近年は出場機会が減少。昨年は91試合出場にとどまり、一塁を守る中田翔が加入した今季は15試合出場のみ。打率.209、1本塁打、2打点で、6月9日に登録抹消されて以降は1軍から声が掛かっていない。今季限りで中日を退団する可能性があり、他球団が獲得に乗り出すか気になるところだ。
Gグラブ賞受賞の守備も高評価
複数の球団関係者に話を聞くと、評価が分かれる。
パ・リーグのスコアラーは「ファームでプレーを見ていますが、飛距離は全盛期より明らかに落ちている。35歳という年齢を考えると仕方ないですが、来季以降1軍で通用するかというと疑問符が付く」と指摘する。
一方、セ・リーグの打撃コーチは「今年の推定年俸3億5000万なら編成会議の俎上に上がりませんが、年俸3000~5000万円なら獲得する価値は十分にある。日本で実績のある選手だし、打撃フォームを少し修正すれば1軍でまだまだ通用する。日本人枠で獲得できるし、守備面の不安がないこともプラスアルファです」と評価する。
確かに、ビシエドは一塁の守備も巧い。メジャーでは外野を守ることが多く、来日当初は不慣れな一塁に苦戦することがあったが、練習や実戦を積み重ねることで安定感が増し、20、21年と2年連続ゴールデングラブ賞を受賞。難しいショートバウンドの送球を巧みなハンドリングで捕球し、内野陣の信頼が厚かった。また、ビシエドは国内FA権の取得条件を満たしたため、今年から日本人選手扱いになっていることも移籍には有利だ。