3位は前年王者のヴィッセル神戸(勝点55:16勝7分け7敗、得失点差+19)だ。開幕から粘り強く戦い、8月11日から4勝1分けと調子を上げて首位の背中も捉えている。今季リーグ戦の残り8試合は、新潟(A)、浦和(H)、京都(A)、FC東京(H)、磐田(H)、東京V(A)、柏(A)、湘南(H)。上位5チームとの直接対決はないが、残り8チームとの今季対戦成績は4勝1分け3敗と相性は良くなく、新潟、京都、東京Vなど夏場以降に調子を上げているチームや新体制となった浦和にトンネルを抜けたFC東京、そして最後の2試合は残留争いに絡みそうな2チームとの対戦であり、決して楽ではない。

 さらに広島同様にアジア舞台の戦いが入る上、より厳しい相手との対戦になるACLEでの1次リーグ6試合(9月17日に第1節)が組まれている。モチベーション及び気運的には、広島が「新スタジアム初年度でのリーグ優勝」という命題がある一方で、昨季リーグ初優勝を飾った神戸は「Jリーグ<ACL」であるとも言える。昨季は横浜FMがACLの過密日程の中で勝点をこぼした間に一気に勝点を積み上げた神戸だが、今季は逆の立場になり得る。天皇杯も勝ち残っている中、改めて吉田孝行監督のチームマネジメント力が問われることになりそうだ。

 4位には鹿島アントラーズ(勝点49:14勝7分け8敗、得失点差+10)がつける。4月から6月にかけて11戦負けなしで優勝争いに加わったが、直近4試合は2分け2敗と失速している点が気がかりだ。ただ、消化試合が1試合少なく、今季リーグ戦の残りは、柏(H)、湘南(A)、新潟(A)、福岡(H)、川崎(A)、名古屋(H)、京都(A)、C大阪(A)、町田(H)の9試合。

 相性の悪い川崎戦、調子を上げる京都との対戦を残しているが、全体的には“楽な相手”が多いと言え、その9チームとの今季リーグ戦対戦成績も5勝2分け2敗と悪くない。天皇杯は準々決勝に勝ち上がっているが、町田同様にACLには不参加で、町田が初体験となる優勝の重圧に苦しみ、広島と神戸がタイトスケジュールの中で失速すれば、最終節で町田との直接対決を残す鹿島がドラマを起こす可能性はある。そのためにも、本拠地最終決戦まで優勝の可能性を残しておくことが必要になる。

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