7月2日、マイナーリーグで登板した藤浪晋太郎(AP/アフロ)

高卒3年目でタイトルを獲得した藤浪

 藤浪は高卒1年目から3年連続2ケタ勝利をマークし、3年目の15年は14勝7敗、防御率2.40で最多奪三振(221)のタイトルを獲得。7完投、4完封はいずれもリーグトップで、シーズンを通しての活躍で言えば佐々木を上回っていた。だが、4年目に7勝11敗と負け越すと、その後は制球難で投球フォームのバランスを崩し、1軍定着すらできなくなる。22年オフにポスティング・システムでアスレチックスに移籍すると、先発では制球難で結果を出せなかったものの、救援での活躍が評価されてシーズン途中にオリオールズに移籍。今年はメッツと契約したが、制球難が解消されず、メジャー登板はなし。マイナーリーグで試行錯誤を繰り返している。

「藤浪は同学年の大谷と引けを取らない逸材でした。彼の場合は制球難で苦しみましたが、手足が長い長身の投手は、フォームが狂ったときに悩みを共有できる指導者が少ないので修正が難しい。佐々木は制球に苦しむ状況にまではなっていませんが、直球の球速が明らかに落ちているし、フォームが安定していないので良い球を投げる再現性を欠いている。故障しないようにブレーキを掛けることは大事ですが、実際は毎年のように故障で戦線離脱を繰り返していて、1年間を通じて先発ローテーションで登板したシーズンがない。このまま伸び悩んで、藤浪のように20代の早い時期から下降線をたどる危険性がないとは言い切れない」(スポーツ紙デスク)

 残り試合で佐々木は復調した姿を見せられるのか。それがロッテのCS進出、そこからの下剋上に、不可欠な要素となってくるだろう。

(今川秀悟)

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