15日に放送される「ベスコングルメ」(TBS系)は黒木瞳と霜降り明星・せいやが目黒区の町中華で話題の麻婆焼きそばを目指す。なぜ「町中華」に私たちは引き付けられるのか。過去の人気記事を紹介する(「AERA dot.」2023年2月23日配信の記事を再編集したものです。情報は配信当時)。
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町中華といえば、チャーハン、餃子、麻婆豆腐に各種の麺。でも、忘れてはいけない隠れた人気メニューがある。オムライス、そしてカレーだ。ラードを使ったチキンライスやラーメンスープを使ったカレーなど、町中華ならではの個性あふれる味わいがクセになる。2月7日に発売された『東京・大阪 名店の味が再現できる!ひみつの町中華レシピ』が、町中華オムライスとカレーのうまさの秘密探るべく、東西の人気店を取材している。なかでも人気の2軒を公開したい。
ケチャップ×豚の脂で中華のオムライス
町中華なのにオムライスの名店とされるのは、東京・浅草の「中華料理 ぼたん」だ。実際に訪ねると、入り口には江戸紫のパリッとしたのれんにぼたんの文字。1948年に創業し、70年以上のあいだ町の中華料理店として地元民の腹を満たしてきた。現在は三代目の店主と四代目の息子が店を切り盛りする。
昼飲みにもぴったりの餃子や、スープを毎朝仕込むラーメンなど、定番メニューの中で近年人気が高まっているのがオムライスとチキンライスだ。芸術点高めの懐かしい見た目もあってか、昔からの常連客に加えて20代の若い層からも支持されている。
中華料理店らしさを感じるチキンライスの味わいは、ラードを使って強火でしっかり炒めることで生まれていた。まろやかなケチャップの酸味と豚の脂のうま味をまとい、一口食べれば頬がゆるむ。上にかかったケチャップとの味のコントラストで、飽きずにペロッと完食。店主の川瀬茂高さんが、惜しげもなく教えてくれたレシピは、『ひみつの町中華レシピ』に収録している。
まかないから生まれたカレーチャーハン
「ぼたん」の70年には及ばないものの、カレーの名店も創業55年を超える老舗。初代店主が長崎県出身ということから看板商品はちゃんぽんや皿うどんだという東京・西大井の「美華飯店」だ。この美華飯店に、「カレーチャーハン」なるメニューがある。カレー味のチャーハンではなく、チャーハンにカレーをかけたものだ。