しかし進次郎氏はどうだろうか。広報会社が仕切ったとされる9月6日の会見は事前登録制とされ、参加した記者には席が指定された。初めから大手マスコミへの“優遇”が決められていたようで、質問ではNHK、朝日新聞、日経新聞、産経新聞から指名された。会場には「不公平だ」との声が飛んだ。

 たとえ進次郎氏が総裁選後の衆院選を乗り越えても、来年7月には参院選が予定され、このときに決まった国会の構成は次の参院選まで3年間続く。自民党内ではすでに「進次郎氏で大丈夫か」との声も出ている。

 父・純一郎氏を乗り越えなければ、その声は消えないだろう。とびきりの世襲議員にとってなおさら、トップへの道は果てしなく険しい。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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安積明子

安積明子

■あづみ・あきこ/兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、政策担当秘書として勤務。その後テレビなど出演の他、著書多数。「『新聞記者』という欺瞞|『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)などで咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を3連続受賞。近著に「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)。趣味は宝塚観劇。

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