また、八木氏らは、2023年度以降も2022年度のHPVワクチン接種状況が続いた場合、定期接種終了(高1終了)時までの累積接種率は、43.16 %で頭打ちとなると推計され、これはWHOが世界の子宮頸がん排除(罹患率:10万人あたり4人以下)のために設定した接種率の目標値である90 %の半分にも満たないことを指摘しています。

 私は、母の強い勧めもあり、公費助成で接種が広がる前に、自費でHPVワクチンを接種しています。とはいえ、当時は、なぜ接種が必要かを理解しておらず、どちらかというと、しつこく接種を勧めてくる母の思いに負けて、渋々接種しに行った私でしたが、今となっては接種しておいて良かったと、母に感謝しています。

 日本を離れてからは、私の怠慢もあり、実は、子宮頸がん検診を受けられていません。あれだけ欠かさず受診していた子宮頸がん検診でしたが、アメリカでは日本のように自治体から連絡が来るわけではないため、すっかり失念していたのです。どうやら加入している医療保険で、検診もカバーされているようなので、これ以上先延ばしにせず、予約して受診しにいこうと思っています。

がんが身近な存在に

 昨年まではがんに縁のなかった私ですが、今年は、思いがけずがんが身近な存在となりました。前回、母に消化管間質腫瘍(ジスト)があることがわかり、祖母は骨髄線維症であったことがわかった話をお伝えしましたが、さらに、アメリカに来てからひょんなご縁で家族ぐるみのお付き合いをすることになった友人が、腎臓がんを患っていることも判明したのです。

 彼とは、昨年一時帰国した時に、行きと帰りの飛行機の便がまったく同じだったことから親しくなり、定期的に食事をご一緒するようになりました。友人とはいえども、20歳で日本を出てからというもの、アメリカで学位と取得し、数年前に退職するまで中国やアメリカで日本語を教えていたという方ですから、私にとっては人生の大先輩です。

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